ポーランド与党々首、強力に体制の右傾化を促進
ポーランド与党々首、強力に体制の右傾化を促進
(from New York Times,11 Jan, 2016)
与党「法と正義」のロゴを国旗中央に配置したイラスト
(Cartoon Movement - Law and Justice (PiS) party wins election in Poland より引用,Enrico Bertuccioli氏(伊)作)
ワルシャワ―ポーランドの新しい右派政権は、まだ誕生から1ヶ月しか経ていないにも拘わらず、すでに憲法裁判所の裁判官を政権に親和的な人材に置き換え、立法に対するリミッターを取り除くことに成功している。また、既に検察長官の人事権を政権の掌握下に置くことを発表している。もし実現すれば、「法と正義」が以前に政権を握っていた時期に職権乱用にて検挙され、現在控訴している治安責任者を大統領命令で恩赦に附すことはほぼ確実となる。
また、押し寄せる国内外からの反対の声を押し切り、政権はポーランド最大の放送局を含む国内の放送局をフリーハンドで掌握するための新法を成立させる意向を表明している。
これらの急進的な改革の主導者は新大統領や新首相ではなく、ヤロスワフ・カチンスキ党首だ。党首は現在議席を有していないもののポーランドにおいて最も影響力のある政治家とされており、与党である「法と正義」の実力者として"院政"を敷いている。
Head of Poland's Governing Party Leads a Shift Rightward
注釈:
「法と正義」は、昨年5月に大統領選、10月に議会選に勝利し、左派政党「市民プラットフォーム」から政権を奪還しました。背景にはEUへの加盟によって広がる格差や20％を超える若年層の失業率への不満があり、多くの若年者票を集めて政権交代を実現させました。
